2016年10月からTBS系の「火曜ドラマ」枠で放送された連続ドラマ。2021年に後日談としてスペシャルドラマが放送されました。
原作は海野つなみさんの漫画で、2012年から2017年まで連載され、その後2019年に再開し2020年まで連載された人気の作品だそうです。
私は漫画は読んだことがなく、ドラマのリアルタイム放送時に話題になったのは知っていたのですが、とうとう一度も観ることなく…まあ、あまり恋愛ものは得意ではないので、正直に言うと興味が持てなかったのです。
1年ほど前にPrime Videoで見放題配信されているのを見かけ、話題になった作品というのは面白いのだろうかというふうに思って観始めたのですが、結果面白くて、一気に観てしまいました。
このブログを始めて、いざ感想を書こうと思ったら細かいところが思い出せなかったので、もう一度観てみました。やはり面白かったです。
主人公の森山みくりは妄想癖があって、辛いことがあっても妄想の中でテレビ番組に出演して客観的に体験を語ることで、やり場のない気持ちの落とし所をつけている可愛らしい女性。新垣結衣さんが演じています。
心理学を学び、大学卒業後に就活をするも全滅。大学院へ進み、心理学の博士号をとって臨んだ就活でもなぜか全滅。その後派遣社員として心理学とは全く関係のない事務の仕事をしているのですが、そこでもなぜかみくりより仕事のできない派遣社員と天秤にかけられた上で負けて派遣切りに遭うことに…。
両親もほんわかとしていて、みくりを愛しつつも定年退職後の夫婦生活を楽しもうとしているのですが、そんなお父さんが失業したみくりに家事代行業を探していると紹介した、星野源さんが演じる津崎平匡(ひらまさ)と、いろいろあって契約結婚という形で共同生活をすることに…。
話としては突拍子もなく、なぜ結婚でなければならない?同棲ではだめなのか…?時代か?両親の価値観を鑑みて?とか、大学院まで出て就職できないとか派遣切りとか就職氷河期でもないのにそんなことあるのか?まああるのか…?といろいろと頭の中で疑問に思ったり打ち消したりといったこともないではなかったのですが…
みくりは大学院を出ているし、平匡も京大出で職場ではチームの要として頼りにされていたり、ふたりともハイスペックなくせに極端に自分に自信がないのと、頭で考えすぎなのと、合理的な考えが好きなのと、みくりの妄想癖と、もろもろの周囲の環境とでそうなってしまったという感じなんでしょうね。
結果的に周囲をだますことになり、仮初めの結婚生活を送りながら、じつは主婦業という仕事の雇用関係として割り切った関係を続けていくのですが、いろいろなことをふたりで乗り越えるうちにお互いが大切だということに気づいていき、慣れない自分の感情に戸惑いつつ、自分自身が作り上げた自信のなさという壁を突破していきます。
まあ、最初からお互いにそういう感情の兆しがあったからそういうふうになったんだよねーとか、そんな気づかないふたりの様子がもどかしくも、自分のことのように感じられてうずうずしつつツッコミを入れたり、応援したくなったりしてしまうのですね。まあ、恋愛ものと思っていましたが、概ねヒューマンドラマな感じなのです。
社会の中で必要とされたいと、居場所を求める気持ちは誰にでもあると思います。人間の本能としてコミュニティの中に属して、必要とし必要とされながら生きていくということを幸せに思うDNAがどこかに組み込まれているのかもしれないなーと思ったりもします。もちろんそうではない人もいるのでしょうけれど。
社会の中できちんとして居場所がありそうな周囲のひとたちも、それぞれに抱えているものがあり、やはり自分自身の中に作り上げた壁を少しずつ突破しようともがいている様子も描かれています。
この物語の登場人物たちは、それぞれ、お互いに相手が持っていないものを持っていたり、逆に相手が持っているものを持っていなかったりするんですよね。簡単にひとを羨んだり自分を蔑んではいけないんだという気持ちにさせられます。
出演されている俳優さんたちも、主演を務められる実力と魅力のある方ばかり。だからか主人公たち以外の登場人物のサブストーリーも共感しやすいのだと思います。
星野源さんの作詞作曲された主題歌「恋」と、曲に合わせて出演者が可愛く踊る、いわゆる「恋ダンス」も流行りました。星野源さんの番組「おげんさんといっしょ」も面白いです。劇団大人計画に所属する俳優であり、エッセイストでもあり、とても多才な方です。
2012年にくも膜下出血で倒れられたときのニュースを覚えています。忙しい最中に突然、死と直面させられ、長い入院期間中にはいろいろと考えられたのではないでしょうか。だからこその深みと多才さというのもあるのかもしれません。
いわゆる一般的にいうイケメン枠ではないかなとは思いますが、とてもかっこよくてイケメンだなと思う方です。
新垣結衣さんと星野源さんは、スペシャルドラマ放送後に結婚されましたよね。
ちょっとうまくいかないなという時、突破したい何かがある時、元気を出したい時などに観ると、登場人物たちと一緒に「超えて」いけるような元気をもらえる作品なのではないかと思います。
1話目の冒頭でいきなり「情熱大陸」が始まるんですよ。ちゃんと葉加瀬太郎さんのあの曲で。他局であるNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」とか。みくりの妄想で出演する番組がリアルに再現されていて、そこも見どころです。当時は局を超えて番組の宣伝をしあったり、そういったところでも盛り上がったみたいですね。
Wikipediaでは、オマージュされた番組の一覧など、詳しい情報が載っているので読んでいて楽しいです。
脚本の野木亜紀子さんは、原作を読み解き、原作ファンにも受け入れられやすい映像作品にする手腕に定評があるそうですが、オリジナル脚本としても「アンナチュラル」「フェイクニュース」「MIU404」「獣になれない私たち」など、人気ドラマを手掛けていらっしゃる方です。
私は「アンナチュラル」「MIU404」を観ましたが、どちらもとても面白かったです。
原作
海野つなみ 『逃げるは恥だが役に立つ』(講談社「Kiss」)
脚本
野木亜紀子(『空飛ぶ広報室』『重版出来!』『図書館戦争シリーズ』)
プロデューサー
那須田 淳(『パパとムスメの7日間』『流星の絆』『重版出来!』映画『ビリギャル』ほか)
峠田 浩(『コウノドリ』『毒島ゆり子のせきらら日記』)
宮﨑真佐子演出
金子文紀(『99.9-刑事専門弁護士-』『コウノドリ』『木更津キャッツアイ』)
土井裕泰(『空飛ぶ広報室』『コウノドリ』映画『ビリギャル』)
石井 康晴(『ウロボロス〜この愛こそ、正義。』『花より男子』シリーズ)音楽
末廣健一郎
MAYUKOテーマ曲
主題歌:星野 源 「恋」2016年10月5日発売(スピードスターレコーズ)
オープニング:チャラン・ポ・ランタン 「進め、たまに逃げても」(avex trax)出演
新垣結衣 星野源 大谷亮平 古田新太 石田ゆり子 藤井隆 成田凌 山賀琴子 中島ひろ子 宇梶剛士 富田靖子 細田善彦 高山侑子 モロ師岡 高橋ひとみ 真野恵里菜 古舘寛治 岡田浩暉 葉山奨之 内田理央 六角慎司 乙葉 西田尚美 青木崇高 滝沢カレン 伊藤修子 ナオト・インティライミ 金子昇 池谷のぶえ Kaito 前原滉 浅川梨奈 前野朋哉 山里亮太 YOU ほか
製作著作
TBS
TBS公式番組サイトより引用 Wikipediaより引用
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