2018年1月からTBSで放送されたドラマ。

脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」を手掛けた野木亜紀子さん。

「逃げるは恥だが役に立つ」も面白かったですが、このドラマもとても面白かったです。
TBSの公式番組サイトによれば、プロデューサーの新井順子さん、演出の塚原あゆ子さんと、今ノリに乗っている女性スタッフを中心に制作されたそうです。

ドラマの中に、女性ならではの世界観や日々感じること、受ける差別などが自然な形で盛り込まれているのも納得です。

主人公は、石原さとみさん演じる三澄ミコト。法医解剖医として死因究明の専門機関として立ち上げられた「不自然死究明研究所(UDIラボ)」で働いているのですが、過去に自分に起こった出来事が法医解剖医としてのポリシーとその人生を骨太なものにしています。

死んだ人と毎日向き合いながらも笑いを絶やさないそんなUDIラボの雰囲気を訝しがりつつ、徐々に深い意味があることを感じ取っていく久部六郎。窪田正孝さんが演じられています。
ドラマを見始めたとき、見慣れない世界で笑いながら仕事をするミコトや、市川実日子さん演じる東海林夕子に、強烈な違和感を感じるのですが、それを六郎が代弁してくれて、六郎と一緒にその世界に没入していくという感じで観入ってしまいました。

もう一人、法医解剖医として働く井浦新さん演じる中堂系も、過去に起きた事件に人生を変えられ、犯人を追い続けているという事情があります。

そして、六郎にも秘密があり…

そうした何重にも重ねられたストーリーが絡み合い、毎回のストーリーはそれぞれ完結して法医学の重要性を視るものに問いかけながらも、ドラマ全体に流れるミステリー要素もまた魅力的で、展開に引き込まれていきます。

「不自然な死を明らかにする」という重いテーマながら、登場人物のキャラクターが魅力的で重くなりすぎず、普通の人と同じようにクスリと笑える日常の出来事に笑ったり、不条理な出来事に泣いたり、不甲斐ない自分に傷ついたり、私たちと変わりない人生を生きている登場人物たちに共感させられました。

ドラマとは関係ないのですが、TBSの公式番組サイトを拝見したら、松重豊さん、井浦新さん、石原さとみさん、窪田正孝さん、市川実日子さんの並んだ写真がアップされていまして、ドラマの中で勝手に感じていた5人のサイズ感と、写真のサイズ感がだいぶん違っていてちょっと驚いてしまいました。松重豊さんて、すっごい大きい方なんですね。

TBSのドラマの公式サイトは情報が充実していてとても好きです。以前も書きましたが、スタッフさんの他の作品も記載してあったり（転載させていただきました）。ドラマの雰囲気を感じられるデザインにしてあったり。作品への愛を勝手に感じてしまいます。

ミステリーが好きな方、医療ものが好きな方はもちろん、ヒューマンドラマや社会派が好きな人にもおすすめではないかと思います。ぜひ。