2005年1月に2時間のスペシャルドラマとして放送された後、4月から続編という形で連続ドラマとして放送されたそうです。
私が観たのは2年ほど前になるでしょうか。Prime Videoで観たのですが、とにかく面白くてあっという間に見終わり、印象に深く残り続けていました。
最近になって隙間時間ができ、こうして感想を残すことにして、直近で観たドラマや印象に残っているドラマから書いているのですが、「俺の家の話」の感想を書いた後、このタイガー&ドラゴンをもう一度観たくなって、改めて最初から視聴しました。
もう20年も前のドラマで、いわゆるコンプライアンス的には今ではアウトかな〜という内容も含まれていて、そっか〜、この時代こういう感じのノリだったんだ〜、と驚くことも多いのですが、そんなことはどうでも良くなってしまうほど、突き抜けて面白い。2度目なのに変わらず面白かったです。
長瀬智也さん演じる虎児は、幼い頃に両親を亡くして、笑福亭鶴瓶さん演じるヤクザの親分、謙に拾われます。
そして、借金の取り立ての仕事で訪れた、西田敏行さん演じる落語家の林家亭どん兵衛の落語を聞いて、弟子入りを志願。林家亭小虎という名前をもらいます。
どん兵衛が落語を教え、「授業料」という名目で小虎(落語の弟子)がどん兵衛にお金を払い、どん兵衛が受け取ったお金をそのまま借金の返済として虎児(借金の取り立てに来たヤクザ)に渡す、という訳のわからない関係に。
ヤクザの親分も、落語の師匠も、親のいない虎児を息子のように想っている。実はその2人には若い頃からの縁があって…
各回のストーリーは、実際の落語の噺がリンクしたような出来事がドラマの中で巻き起こっていき、最後に小虎がそれをアレンジを加えた噺として高座で披露して終わるというものになっています。
落語の世界と登場人物たちの世界が複雑に絡み合い、落語が生まれた時代と現代が、まるで同じ時代であるかのように思わせてくれる構成。複雑なんだけど、落語が分かりやすく、コメディとしての面白さとホロリとさせる人情と、真面目なテーマにグッときたり、考えさせられたり、そうした色々な要素が絶妙に絡み合っている。
各回、1話完結ではあるのですが、虎児の成長と心の変化とともに、塚本高史さん演じる謙の息子銀次郎と、岡田准一さん演じるどん兵衛の息子竜二、そして周りの人々も一緒に成長して変化していくさまが、ドタバタ喜劇の中に一本通った筋として描かれています。
こんなに複雑に絡み合った脚本が書けるなんて、宮藤官九郎さんはすごいですね。
NHK大河ドラマ「いだてん」でも、落語と主人公のマラソンとを絡めて複雑な展開にされていました。
宮藤官九郎さん所属の劇団大人計画の役者さんである、阿部サダヲさん、荒川良々さんは、NHKの朝ドラ「あまちゃん」にも出演されていますし、クドカン作品の常連ですよね。お二人ともなんとも言えない存在感のある役者さんです。
星野源さんも、小虎の兄弟子として出演されていますが、大人計画に所属されているんですね。
星野源さん主演のドラマも何作か観てきたので、この作品の中での存在感の薄さにびっくりします。存在感の薄い人物の役。今の輝きからは考えられないです。
尾美としのりさんもよくクドカン作品に出演されているのですが、調べてみると、子役で劇団ひまわりに入団して7歳から役者をされている方なんですね。大人計画の方ではなかったので少し驚きました。
長瀬智也さんも「池袋ウエストゲートパーク」「俺の家の話」「うぬぼれ刑事」などクドカン作品に多数出演されていますね。
岡田准一さんは「木更津キャッツアイ」ですよね。
もちろん西田敏行さん、桐谷健太さんも。
プロデューサーの磯山晶さんとも何作も一緒に作られているそうですし、なんだかファミリー・チーム感があっていいなと思います。
昔の作品を観ると、ちょい役で今活躍されている俳優さんが出演されているのを発見するのも楽しいですね。浅利陽介さんは「相棒」でよく拝見していたのですが、この作品では未成年の役。若いな〜。
一緒に練炭自殺をしようとして集まった4人グループの1人が小手伸也さんだったり。
先日西田敏行さんが亡くなり、テレビやネットニュースなどで追悼として過去の作品を紹介される機会を多く目にします。
この作品では、何席も古典落語を披露されていますが、本物の落語家と思うほど。役作りがすごい。芸達者っていうんでしょうか。
「俺の家の話」では人間国宝の能楽師を演じておられますが、こちらも本物の能楽師がお墨付きを与えているのをインタビューで拝読しました。凄すぎますよね。
書ききれないくらい、どの役者さんも素晴らしいです。この作品を演じるのは本当に大変だろうな…
最終話では、グッときてしまいました。観終わった後、心が温かくなって元気になりました。笑って、泣いて、スッキリと爽やかで温かい気持ちになりたい方はぜひ。
脚本
宮藤官九郎
演出
金子文紀
片山修
坪井敏雄
音楽
仲西匡
主題歌
オープニング:クレイジーケンバンド「タイガー&ドラゴン」
エンディング:V6「UTAO-UTAO」
プロデューサー
磯山晶
出演
長瀬智也 岡田准一 西田敏行 銀粉蝶 阿部サダヲ 猫背椿 春風亭昇太 星野源 深水元基 浅利陽介 笑福亭鶴瓶 塚本高史 宅間孝行 伊藤修子 荒川良々 尾美としのり 半海一晃 松本じゅん 洞口信也(クレイジーケンバンド) 廣石恵一(クレイジーケンバンド) 蒼井優 桐谷健太 河本準一(次長課長) 伊東美咲 北村一輝 菅原大吉 ヒロシ GANXSTA D.X HAYATO 深沢敦 青木和代 花原照子 石森則和 春風亭昇乃進 春風亭柳太郎 瀧川鯉太 昔昔亭慎太郎 昔昔亭健太郎 YOU THE ROCK☆ 小林麻耶 金剛地武志 松本まりか 大森南朋 高田文夫 森下愛子 古田新太 清水ミチコ 薬師丸ひろ子 小日向文世 杉山佳寿子 島本須美 高岡蒼佑 植松洋 橋本じゅん 猪野学 少路勇介 小手伸也 ほか
制作
TBSテレビ
製作
TBS
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