田中相さんによる講談社の月刊アフタヌーンに連載中の漫画が原作のドラマで、2023年10月からBS-TBSで放送されたそうです。
2024年10月からSeason2が始まっているのですね。
うちはBSが映らないのですが、Priime Videoで視聴しているとき、テレビでも観たような…調べても分かりませんでした。もしかしたらうちの障害っ子がテレビのリモコンをイタズラした際に、Prime Videoが再生されたのかもしれないし、実はリアルタイムでどこかで観ていて、1年経ってることが自分で信じられないのかも…。
サムネイル画像の美しさが心に留まって、見始めました。
タイトルはファンタジーで、まあ内容もファンタジーではあるんですが、人としてとても地に足のついた話で、自然の中でゆったりとした暮らしを大切に味わうように生きる主人公兄弟の描写が好ましく、ベニシア・スタンリー・スミスさんとかターシャ・テューダーさん、最近ではタサン志麻さんでしょうか、そうした方々を彷彿とさせる美しさに見惚れてしまいました。
主人公の兄弟は天狗の末裔。
お兄さんの基は日本の農村で隠遁暮らしをしています。弟のオンはずっとニューヨークで両親と暮らしていたのですが、訳あってお兄さんと一緒に暮らすことになります。
そこには白い犬のむぎが一緒に暮らしていますが、天狗の末裔であるオンはむぎと話すことができます。
むぎの声は渋いんですけれど、調べたら東京03の角田晃広さんでびっくり。
Wi-Fiもなく便利なものが一切ない環境で、はじめは飽き飽きしたり兄に反発したりする様子を見せるオンが、次第に農村の人々や基の暮らしの良さに気づいて溶け込んでいく様子が描かれていますが、観ているうちに親戚目線に…
丁寧に調理される料理の数々が素朴でとにかく美味しそう。「天狗の台所」というタイトルのとおり、各回のサブタイトルが料理の名前で、主に台所を中心として基の世界観が表現されていきます。
「きのう何食べた?」でも主人公たちが料理をすること、食べることをこの上なく大切にしている描写がなんとも言えずエモいのですが、食事って生きることの基本で、どんなにお金があったとて無限に食べられるわけでなし、1日に3回くらいしか持てない貴重な機会なんですよね。食べたもので体ができているわけですし、体の状態で心も変わっていくものですし。
食ももちろん、その温かな生き方、天狗として生きることの覚悟、いろいろなことが胸に訴えかけてきます。
冒頭で書いた通り確かにファンタジーなんですが、そこが前面に出ているというよりは、天狗の末裔であるということから派生する覚悟や暮らし、生き方が前面に出ている感じでしょうか。
天狗でなくても、14歳という多感で子供から大人へ変化する時期、その繊細で大切な時間帯を、天狗の末裔というファンタジーを通して浮き彫りにしているような。
とにかく、とっても素敵なドラマでした。
Season2がやっていることを知らなかったんですが、観たいな。またPrime Videoでやって欲しいです。
BS-TBSの番組Webサイトがとっても可愛いです。制作された方の他の作品が紹介されているのも好ましかったです。そのまま引用させていただきました。
原作
田中 相『天狗の台所』(講談社「月刊アフタヌーン」連載)
脚本
岨手由貴子
山田能龍
天野千尋
熊本浩武
ナラミハル
監督
長島翔(「サ道」)
下田彦太( 「エルピス」「ロッパグラム」)
林田浩川(「インフォーマ」)
川井隼人(「ガンニバル」監督「ドライブ・マイ・カー」助監督)
プロデューサー
鈴木早苗(「コウノドリ」TBS、「サワコ」「帰らないおじさん」BS-TBS)
守澤崇(「帰らないおじさん」「あなたはだんだん欲しくなる」BS-TBS)
五箇公貴(「サ道」「電影少女VIDEO GIRL」「舟を編む」maroyaka)
向井達矢(「はるヲうるひと」「スモーキング」ラインバック)
主題歌
「人人」折坂悠太(ORISAKAYUTA)
音楽
VaVa(SUMMIT, Inc.)
出演
駒木根葵汰 越山敬達 塩野瑛久 浅茅陽子 原田泰造 渡辺真起子 本田博太郎 角田晃広 村山輝星 古屋呂敏 原田琥之佑 ほか
製作
BS-TBS maroyaka
制作
ラインバック
コメントを残す