2021年1月からテレビ朝日系「木曜ドラマ」枠で放送されたドラマです。1年ほど前にPrime Videoの見放題で視聴したのですが、2024年12月9日現在、確認したら見放題ではなくなっていました。

Prime Videoから「Prime Video for TELASA」を追加で契約すると観られるようになります。TELASAはテレ朝の番組がたくさん見放題となっている配信サービスで、「相棒」や「科捜研の女」を観たくなったとき、1ヶ月だけ契約してまとめて視聴したりしています。

もしかしたら、また見放題に追加されているかもしれません。ぜひ画面下のリンクボタンから一度チェックしてみてください。

脚本は、NHKの朝ドラ「ひよっこ」や「ちゅらさん」を手がけた岡田惠和さん。「ひよっこ」は私もリアルタイムで観ていましたが、好きなドラマでした。とっても大変なことを抱えながらも、周りの人に助けられ笑顔で頑張る主人公が現実にいそうで、可愛らしくて、応援したくなったのを思い出します。

この「にじいろカルテ」の主人公、高畑充希さん演じる紅野真空（くれの まそら）も、頑張り屋で、可愛らしくて、応援したくなる人物です。

真空は、大きな病院の救急救命の現場で働いていた時、体が動かなくなり、多発性筋炎という難病にかかっていることを知ります。

救命の現場に患者は要らないと切り捨てられ、周囲に相談できず、ひとりで抱え込んでいたとき、「虹ノ村」という田舎の村で住み込みの医者を募集していることを知り、移住することになります。

診療所では、変わり者の外科医、井浦新さん演じる浅黄朔（あさぎ さく）と、優秀なんだけど拗らせてる感じの看護師、北村匠海さん演じる蒼山太陽（あおやま たいよう）が住み込みで働いており、そこで真空も共同生活をすることに。

待望の内科医を、村の人々はものすごい期待で迎え入れます。温かいと思うけれど、距離感の近さとグイグイ来る感じに都会から来た人は面食らうかもしれないとも思う。そんな懸命ながらもクセのある田舎の人々との関わりと、共同生活をする2人と、流れる時間、良い景色が、真空を思いもよらなかった生き方へと導くことになります。

そして、共同生活をする2人も、村の人々も、難病を抱えながら医師としての仕事をまっとうしようとする真空を受け入れ、関わっていく中で変化していきます。

真空も、周囲の人々も、辛くて苦しいことに直面しながらも明るく前向きに生きている。明るく生きているように見えて、辛いことに直面していると言った方がいいのか。その、表向きだけでも明るくできるというのは、お互いに必要とし必要とされ、支え合っているからで、辛いことを抱えているからこそという側面もあるのだということを、ていねいなストーリー展開で魅せていきます。

毎回、温かい気持ちになったり、切なくなったり、ほっこりしたり、感動したり、涙腺崩壊してしまったり。なんでもない、どこにでもありそうな日常のなかで起きる小さな奇跡のできごとと、ちょっと変だけどどこにでもいそうなクセのある人々と、綺麗なだけでなく泥臭く乗り越えていく感情と。

とても観ていてうらやましくなりました。まち全体が大きな家族みたいに絆で結ばれている様子がまぶしくて素敵。何より、村の人たちを医療と生き方全部で守る3人の真剣だからこそ心を許し合っていく関係性がうらやましくなります。

ストーリーの中で、「にじ」という曲が何度も歌われ、キーになっています。「にじがにじが 空にかかって きみのきみの 気分もはれて きっと明日はいい天気 きっと明日はいい天気」という歌詞が沁みるんですよ。村の人々がみんなで真空を元気づけるために集まって歌う場面は、本当に感動で涙腺崩壊します。

登場人物の名前が色や空にまつわる名前だったり、みんな優しくておちゃめでいい人だったり、ふんわりと田舎の良さを詰め込んだようなファンタジックな世界観ではあるのですが、それでも、どこかにこの村が存在していて、彼らのような人たちがいるような気持ちにさせてもらえます。

ストーリー自体は嬉しいことや奇跡的ないいことだけでなく、悲しい現実もたくさん見せられるのですが、全体を流れる心が温かくなる感じは、雨が降った後だからこそ虹が見えるんだ、村の人たちの名前が集まると虹の空になるように、ひとりではなく、みんなが支え合えれば…きっと空に綺麗な虹がかかるんだ、というメッセージが詰まっているからなのかなと思います。

ちょっと人生に疲れてしまった時、希望を見たい時、ほっこりしたい時、壁にぶつかっている時、観ると元気をもらえるかもしれません。

テレビ朝日の公式番組サイトが可愛くて情報も多くてとても好きです。