NHKで、2024年8月から全3回で放送されていました。
リアルタイムで少しだけ観て、とても印象に残っていたところ、Prime Videoで配信されているのに気づいて、一気に観てしまいました。
精神科というと、とても受診のハードルが高い印象があるかと思います。
私もそうでしたが、身内の心の危機を感じた時、一緒にあちこちの精神科を受診し、いろいろなことを感じた経験があります。
作品中でも、患者の顔も見ないで診断する医師や、とりあえず患者の気分を損ねないように、表面的に優しいことを言う医師が出てきますが、私も、あちこち受診する中で、そのような医師にたくさん会いました。
受信するたびに、余計に心が削られ、元気だったはずの私まで調子を崩していきそうになったのを思い出します。
ただ、自分も精神が安定する薬を飲みながら仕事をしている医師がいるのも知っています。
とても大変な仕事なのだろうと思います。
この作品の主人公の弱井先生は、エリートながら、ある経験をきっかけに患者に寄り添う診療を始めたようで、こんな先生がいたら受診したいなと思わせる、魅力的な医師です。
各回、患者として受診する人たちも本当に普通で、身近にいそうな人ばかりです。
特別ではなく、誰でも心の病気になる可能性はある、ということを感じさせてくれます。
過去から現在までに経験したことがなくても、未来の自分かもしれない、選ばなかった方の人生の自分かもしれない、そんなふうに弱っている人に接することができたらいいのかもしれません。
また、病気のことをよく知ることが大切、というメッセージも強く感じました。
当事者はもちろん、今は関係がない人も、この作品を通して知っておくこと、知ろうとすることが大切だと考えました。
いろいろと考えさせてくれる作品でしたが、心が暗くなるような感じではなく、とてもほっこりとして、心が温かくなる作品でした。心が弱っているときにも観られるのではないかと思います。
この3回では、弱井先生の過去についてはあまり深く語られませんでした。
続編を楽しみに待ちたいと思います。いや、待ちきれなくて漫画を読んでしまうかも。
2024/12/22 Shrinkー精神科医ヨワイー【漫画】の感想 追記
原作の漫画を読んでみました。
ドラマでは語られていなかったところが、詳しく掘り下げられています。とても面白かったです。ドラマを興味深く観たという方は、ぜひ漫画も読んでみていただきたいと思います。
逆に漫画では、詳しい治療の流れなどは説明されていないところも、ドラマでは詳しく説明していると感じるところも多々ありました。
ドラマではより、精神科とそこに通う人がどのように治療と向き合っているのかを社会に広く啓蒙し、偏見を減らしたり、当事者への理解を深めて手助けがしやすくなるように、との社会的意義の部分をあつめに表現しているのかなと思います。
ドラマを観た人がまた漫画を読んでより深く知ってほしい、という意識もあるのかもしれません。
何話か無料で読めるスマートフォンのアプリを使った感想と、それぞれの違いをアップしました。この作品も途中まで無料で読みました。よかったら参考にしてください。
原作
『Shrink~精神科医ヨワイ~』原作/七海仁 漫画/月子
脚本
大山淳子
演出
中江和仁(「きのう何食べた?」「大豆田とわ子と三人の元夫」 ほか)
音楽
富貴晴美
音楽プロデュース
福島節
出演
中村倫也 土屋太鳳 井桁弘恵 三浦貴大 竹財輝之助 酒井若菜 夏帆 余貴美子 松浦慎一郎 土村芳 佐戸井けん太 小林薫 白石聖 細田 佳央太 光石研 ほか
制作統括
阿利極(AX-ON) 樋口俊一(NHK)
プロデューサー
齋藤大輔 久保田傑(オフィス・シロウズ)
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